今回は不妊治療についてお話ししていきます。
不妊症とは、避妊をしない自然な夫婦生活で、
1年以上経過しても妊娠しない状態をいいます。
現在は結婚したカップルの
10組に1組が不妊症で悩んでいると言われています。
では、不妊症かな?と思ったら、どうすれば良いのでしょうか。
私の場合は、まずは近くの産婦人科を受診しました。
しかし、半年経っても妊娠反応は無く、色々調べて不妊治療専門の病院へと行きました。
不妊治療専門の病院は、産婦人科とは違い、受診している全員がほぼ同じ悩みを持っているということもあり、精神的にも楽な気持ちで受診出来ました。
最初にどこを受診するかは、その方の状態にもよると思います。
早く子供が欲しい!という方や、高齢の方、元々子宮や卵巣に病気をお持ちの方などは、不妊治療専門の病院を受診されることをおすすめします。
若くで来られているご夫婦も多数いますよ。
では、不妊治療にはどういう種類のものがあるのでしょうか。
私の体験も踏まえて、ステップ毎に説明していきたいと思います。
不妊治療に入る前の検査
まず最初に、不妊症の原因が何かあるのか、あるとすれば何が原因なのかを調べるために、夫婦共に検査を行います。
女性は主に、ホルモン検査であり、後は病院により多少異なるとは思いますが、私の病院では、卵管通気検査・月経血培養(最近や感染症の検査)・クラミジア抗体検査・AMH測定が行われます。
男性は精液検査を行います。
女性は月経周期に合わせての検査になるので、検査を初めて結果が出るまでに約2カ月程かかります。
また、保険適応検査と自費検査があり、同日には行えないため、受診する回数も自然と多くなります。
ちなみに私の病院では、月経中に2度の検査と、月経10日後の検査がありました。
そして、結果が出ると、何の治療が最もベストなのかを判断し、治療に入っていきます。
ちなみに私の場合は、
「卵巣予備能低下」という診断でした。
実年齢は27歳。しかし、卵巣年齢は40代後半。
いわゆる、卵子の数が年齢の割に著しく減少していました。
その時に告げられたのが、
「30歳に入ってすぐ、生理が終わるかもしれない。」
と言われました。
ステップアップでの治療をしてては時間がないと言われ、一気に体外受精へと踏み切りました。
翌月には治療を開始しました。
では、ステップ毎に説明していきます。
ステップⅠ
~ タイミング療法 ~
タイミング療法は、一番最初のステップで行われる治療になります。
排卵日と性交のタイミングを合わせて自然妊娠を目指します。
一般的に卵胞は、2日で3ミリくらいのペースで大きくなり、自然周期で18~20ミリに到達すると排卵します。
月経開始して10日頃から、超音波検査にて卵胞の大きさを確認していきます。卵胞が十分の大きさになり排卵が近づくと、その日からなるべく毎日性交渉をとっていきます。
治療内容によっては、排卵誘発剤を使用したり、内服治療を同時に行うこともあります。
この治療には夫の理解も必要であり、男性にプレッシャーを欠けないように、日ごろからの夫婦間のコミュニケーションも大事になると思います。
この治療で妊娠に至らない場合は、次のステップ「人工授精」に進みます。
ステップⅡ
~ 人工授精 ~
人工授精とは、女性の子宮内に人工的に精子を注入し、授精させる治療法になります。
子宮内に注入された精子は自力で卵管へと移動し、自然に卵子と出会います。
授精・着床・妊娠に至る経過は自然妊娠と変わりはありません。
麻酔の必要もなく、治療自体も1分程で終了します。
人工授精も排卵期に合わせて実施され、タイミング療法と同様、超音波検査で卵胞発育の経過を見ていきます。
排卵誘発を確実にするため、ホルモン注射も同時に行われます。
排卵日が測定されると24時間以内に人工授精を行えるように準備をしていきます。
男性は精液を病院に渡します。
排卵されたと判断されると、細いチューブを使って精子を女性の子宮内に注入し、妊娠判定を待つことになります。
処置後の安静も特に必要はありません。
人工授精の回数は、病院により様々だと思います。
その時の年齢も関係してくると思います。
人工授精で妊娠に至らない場合は、体外受精へとステップアップします。
ステップⅢ
~体外受精~
体外受精とは、子宮内から取り出した卵子と、男性との精子を体外で受精させます。
そして、受精卵を培養させて、子宮に戻す治療法になります。
体外受精は、人工授精と比べ、費用や身体への負担は大きい治療法となります。
特に採卵時は、痛みがある方や、体調を崩す方は多いと思います。
私の病院では、採卵時は麻酔を行い、約20分前後で終了します。
採卵が終わると、状態が良ければ2~3日後に胚移植を行います。
胚移植自体は、10分弱で終了します。
そして、妊娠判定を待つことになります。
治療自体は、準備期間も合わせると約2~3ヶ月程かかります。
費用に関しては、人工授精とは違い、金額ははるかに高くなります。
病院により多少の差はあると思いますので、受診される病院に確認する必要はあると思います。
ちなみに、私が体外受精でかかった費用は、注射代や薬代、手術代も全て含めて、1回の体外受精で60万程かかりました。
体外受精に関わる治療は、自費負担なので毎回払う金額も万単位でした。
2カ月で60万…。高いですよね。
治療を始める前には、夫婦でしっかりと話し合うことが大事だと思います。
ステップⅣ
~顕微授精~
顕微授精は体外受精と似た治療法になります。
1つ違うところと言えば、体外受精は卵子に精子を振りかけて自然に受精するのを待ちますが、顕微授精は、精子を卵子に注入し、人工的に受精を行います。
その後の流れは体外受精と同様です。
特に、男性不妊の方で、精子の数が少ない方や運動率が低い方などは顕微授精の治療が行われることが多いです。
費用については、体外受精よりも金額は上がり、卵子に精子を注入するのにも数万円かかります。治療法の中で、顕微授精が最も費用がかかる治療法になります。
以上が、不妊治療についてのお話しになります。
治療内容は様々であり、年齢やその方の状態により、どの治療がベストなのかを判断します。
高度な治療になるほど、費用や精神的負担、身体的負担もかかります。何度も話していますが、夫婦でよく話し合い、お互いが同じ目標をもち、治療を行っていくことが大切になると思います。
私自身も、治療開始した頃は、夫と何度もぶつかることがありました。何度も泣き、本気で喧嘩し、そのたびに本音で話し合いました。
治療して1年経った頃に、やっと同じ目線で治療が出来るようになっていました。
体外受精の治療をして3年目、ようやく妊娠することが出来ました。
「体外受精の体験記」で治療内容やその時の心境などを載せていますので、ぜひご覧ください。